「あー、寒い」


俺の隣で君はそう呟いた。


「そう?」

「寒いよ。寒くないわけ、山ちゃん?」

「ちっとも?」

「・・・ありえねー・・・」


熊ちゃんの口癖。

なんかあると絶対にありえねー、っていうんだよな、この人。


「何、何がオカシイんですか山元さん」


熊ちゃんの口癖やひとつひとつの仕草を見ていると、ふっと笑みが零れた。

それに不信を抱いた熊ちゃんが疑問符を浮かべる。


「かわいいなって」

「何が?」

「熊ちゃんが」

「・・・ありえねー。」


ほら、また。

何がありえないんだか。

だけどそんな君の仕草や口癖。

それが全部君らしいって思えるくらい。

君が好きになった。

こんなに人を愛しく思うこと、あったかなぁ。


「ほんと寒がりだね」

「・・・俺からすれば山ちゃんはなんでそんなに寒がらないのか不思議だよ」

「じゃぁ、手、繋ごう」


寒がりな君に俺がしてあげられることは、これだけだから。


「・・・山ちゃんの手、ってさ」

「うん?」

「・・・カイロみたい」

「・・・もっといい例えはないのかな」


あ。笑った。

笑うとすっごく可愛くて。

怒るとしばらく口きいてくれなくて。

たまに何考えてるかわからないときがあるけど。

俺は君の全てを信じてるから。


「じゃ、送ってくれてありがと」

「うん」


離れた手は少し寂しい。

だけどまた、明日。繋げばいい。


「また、明日」


ずっと一緒に、いられるといいな――――――。





ELTの「また あした」から。
すっごい好きだ、この歌・・・!
聞いてすぐに思いついたネタ。
のほほんとした山熊ソングだと思ってみた(だけ?)