行動変容法 〜 長年の習慣を変えるコツ 〜

バンデューラが提唱した理論で、二つの鍵があり、禁煙を成功させるために役立ちます。
禁煙しなければならないのはわかっているが禁煙できる自信がない人と、いつでも禁煙できる自信はあるが禁煙のメリットを感じられない人はそれぞれ、行動変容の障害となる理由が異なるということはこの理論で説明できます。


● 結果期待感(outcome expectancy belief)

行動変容の対象となっている行動がその人にとって望ましい成果をもたらすだろうと考えること。
例えば、喫煙の害を知り、禁煙によるメリットを知ることです。


● 自己効力感 (self-efficacy belief)

その人自身が実際にその行動を起こすことができると自信を持つこと。
この自己効力感は次の4つの情報源から生み出されて促進されると言われています。

1.遂行行動の成功体験
最後までやりとげることによって「できるんだ」という達成体験を持つこと。例えば、目標を一段下げたりして成功体験を持つことなど。禁煙継続の目標を「永遠に止める」というのではなく、とりあえず「1日」とか「半日」とかにおいて、達成体験を持つことが自己効力感を高めます。成功体験は、4つの中ではもっとも強く自己効力感を高めます。

2.代理体験
自分と似た状況の人の成功体験を見聞きすることで、擬似的達成感を持つこと。例えば、ヘビースモーカーの部長の禁煙体験などで、「あのひとができたんだから自分にもできる」と思うこと。

3.言語的説得
自分の行動や達成状況を自分で確認・賞賛し、周りの人からも確認・賞賛されること。例えば、1日禁煙できたことに対して、家族や医師から「よく禁煙できたね。すごい!」と誉められることなど。

4.生理的・情動的状態
やり遂げたことによる感動や爽快感、高揚感等の自覚。