洲本市禁煙支援センター
★タバコと環境破壊★
タバコは製造過程で環境を破壊し、使用後も環境を汚染する
出典:The Tobacco Atlas(2015年WHO)、現代たばこ戦争(1999年岩波新書)、京都精華大学環境社会学科2003環境と社会第7回ホームページ、海岸ゴミと環境ホームページ
タバコの製造過程での環境破壊
葉タバコの乾燥に大量の木材が必要です。そのため、世界で毎年2,000km2の森林が伐採消失しています(出典:WHO THE TOBACCO ATLAS 5th edition,2015,Chapter05 p.22)。また、毎年約35,000km2の土地がタバコ栽培のために破壊されています(出典:WHO部門別ニュース,2021年12月13日)。 また別の記述によると、世界中で薪として伐採される樹木のうち重量比で80%、すべての伐採される木の6本に1本、森林伐採総面積の12%は、葉タバコの乾燥のためだけに消えており、毎年長野県ふたつ分の森が地球上から無くなっているとされています(出典:三省堂ブックレット、論説「かわずのエコロジー」細川弘明,1993の記載だが、その元はWHOの1990年の推計とのこと)。 先進国のタバコ会社は、かつて植民地であったケニア、タンザニア、マラウィ、南アフリカなどの森林を破壊して、安い薪と安い労働力を使い、タバコをつくっています。 このようにタバコを製造するために必要な地球上からの森林の消失は、砂漠化・温暖化の原因となっています。 タバコは健康被害だけではなく、環境破壊の面からも人類と地球の未来を危うくしていることは間違いないでしょう。 また、タバコ煙に含まれるカドミウムや鉛などの重金属やポロニウム210(半減期138日)といった放射性物質はタバコ葉耕作のために使用される農薬や化学肥料に由来すると言われますが、これら有害物質も土壌を汚染しています。 |
タバコ使用後の環境汚染
1997年国際海岸クリーンアップ・アイテム別トップ5
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タバコの有害物質は再び人間に帰ってくる
人が1日に平均的に摂取するダイオキシン類の量は合計で、体重1 kg当たり約1.53pg-TEQと推定されていますが、このうち、魚介類からの摂取量が1.29
pg-TEQと、約8割を占めています。
農林水産省の平成15年度の農畜水産物に係るダイオキシン類の実態調査結果(137種、344検体が調査対象)では、調査した魚介類全体のダイオキシン類濃度の平均は0.754pgTEQ/gで、農林水産省は畜産物、農産物と合わせても日本人の耐容1日摂取量(TDI)の4割程度で問題なしとの見解ですが、調査結果をみると、関東産ドジョウ12.810pg、大阪湾産コノシロ7.135pg、大阪湾産アナゴ6.398pg、瀬戸内産アナゴ6.286pgなど特に内海の魚に高濃度のダイオキシンで汚染されたものがあり、EUの魚に関する食品規制では4pgを越えたものは市場に出せないのに対して、日本には食品ごとの基準値はなくすべて出回っています。
ダイオキシンがすべてタバコに由来するものではありませんが、ダイオキシンに限らず、魚を通してタバコの有害物質を再び人間が取り込んでいることは間違いないでしょう。
参考サイト
The Tobacco Atlas:World Health Organization
WHO THE TOBACCO ATLAS 5th edition,2015
WHO部門別ニュース,2021年12月13日
京都精華大学環境社会学科2003環境と社会第7回ホームページ
海岸ゴミと環境ホームページ
2003年9月28日INTERNATIONAL COASTAL CLEANUP 2003 September〜世界ゴミ調査キャンペーン〜参加報告 「目立って多かったのはタバコのフィルタでした」
海洋汚染と廃棄物 海のいのちを脅かすもの 水際・海中で採取された品目ワースト20−2002年秋 「タバコのフィルターが多いのは、海岸での投げ捨て以上に市街地から雨水幹線や河川を経て運ばれて来るのでしょう。」
21世紀のたばこ対策検討会(第1回)資料 ダイオキシン平均濃度 PPDDs(ng/Nm3) タバコ5,256 都市ごみ焼却290-1,700
平成15年度農畜水産物に係るダイオキシン類の実態調査の結果について(2004年9月29日農林水産省)