洲本市禁煙支援センター

ネオシーダーについて

ネオシーダーには多数の重金属や発がん物質、ニコチン・タールが含有され、依存症を起こしている例もあることが判明しました

 ネオシーダーはタバコの代用品として禁煙のために使用する人がおられますが、ネオシーダーにはニコチンが含まれており、現に依存症に陥っている人もいます。

 また、国際がん研究機関(IARC)が最高度の発がん性(グループ1)を指定している多数の重金属や発がん物質が検出され、タールもタバコ以上に含まれていることが明らかになりました。ネオシーダー依存にも陥ったりする可能性がありますので、禁煙のために使用しないで下さい。
 また、ネオシーダーから検出されたニコチンは、毒物及び劇物取締法の毒物リスト別表第1の19番目に指定されている毒物です。ニコチンを主成分としてその薬効を利用した医薬品なら、毒物及び劇物取締法の例外とされる医薬品に該当しますが、ネオシーダーのニコチンは、薬効以外の成分として今回検出されたものですので、この除外規定は当てはまらず、医薬品から毒物が検出されたとして緊急に対応されなければなりません。安全性が確認されるまで取り扱い停止・製品回収、及び、成分分析、被害調査が早急に実施される必要があります。厚生労働省、製造メーカー、卸業者、薬局薬店、薬剤師会など関係各位の速やかな対応を求めます。
2001年11月1日学会報告はこちら 日本公衆衛生学会誌2002年9月号(第49巻第9号)929ページにも論文として掲載され、ネオシーダーについて専門家から警告がなされました。
2007年には依存症についての報告もされました →ネオシーダーの依存性について.日本禁煙学会雑誌2007;2:2–5.
重金属や発がん物質が検出されたという論文はこちらです →薬用吸煙剤ネオシーダーの葉中及び主流煙中の有害化学成分と変異原活性の測定.日本衛生学雑誌 Vol. 69(2014) No. 1(2014年01月29日公開)



 →ネオシーダーについての詳細はこちらのサイトを参照ください



ネオシーダーとは(製品記載事項より)
医薬品 ネオシーダー 1箱20本入り税別270円

■有効成分
塩化アンモニウム 0.003g
日本薬局方
安息香酸 0.006g
カンゾウエキス 微量
ハッカ油 微量

■用法・用量
先端に点火し煙を吸入する。
1回1又は2本 1日10本まで

■効能
セキを鎮め・タンをきる

■ご注意
ご使用の際、本品を口にくわえフィルターの吸い口を舌先で湿らせて吸煙して下さい。

製造販売元
株式会社 アンターク本舗
千葉県市川市塩浜3-27-25
TEL 047-395-2114

注:製品にはニコチン・タールに関する記載はありませんが、薬局ではニコチンは含まれないと説明していることが多いようです。


学会報告より
第60回日本公衆衛生学会(香川県・高松市) 2001年11月1日(木)
一般演題(示説) 第15分科会 食品衛生・薬事衛生 演題番号P15-9

(学会抄録から発表者の承諾を得て転載)


「ある鎮咳・去痰剤(N)のニコチン含有状況から見た安全性の問題」
 田中英夫 大阪府立成人病センター調査部
 野上浩志 大阪府立公衆衛生研究所
 中川秀和 公立周桑病院
 蓮尾聖子 大阪府立成人病センター調査部

目的: 全国の薬局、薬店で喫煙者の鎮咳、去痰剤として販売されている薬用吸煙剤(以下、Nとする)の安全性を、ニコチン含有量および使用者の尿中コチニン量等から評価検討する。

方法1:Nおよび、コントロールとしてマイルドセブンエクストラライト(cont.1)、マイルドセブンスーパーライト(cont.2)、セブンスター(cont.3)の葉0.25gを蒸留水10mlで5分間振とうし、遠心分離後に抽出液を発色反応させ、高速液体クロマトグラフィーで分析した。

方法2:喫煙中であった32歳医師に被験者になってもらい、禁煙時、N使用時、禁煙継続かつN不使用時の3点で尿中コチニン量を同法で分析した。同時に問診票でN使用本数等を把握した。

方法3:外来患者の中でタバコの代替物としてNを使用したところ、約2年間連用し、依存状態になっていた53歳運転手の協力を得て、連用中に採尿し、尿中コチニン量を同法で分析した。

結果製品3cm(実際の1本当たり消費量)当たりの平均ニコチン含有量は、N;0.92mg(n=4)、cont.1;5.04mg(n=2)、cont.2;4.91mg(n=2)cont.3;5.55mg(n=2)。喫煙中の被験者のFTNDは3点。調査期間中の受動喫煙は無し。尿中コチニン量は、禁煙開始7日目10.0ng/ml。Nを3日間で17本使用後47.2ng/ml、禁煙継続かつN不使用3日目8.4ng/mlとなった。喫煙当時の被験者のFTNDは6点。調査期間中の受動喫煙は無し。Nを1日平均40本連用中の尿中コチニン量は1126ng/ml。

結論:医薬品Nは非麻薬性で習慣性がみられないと説明されているものの、ニコチンを含有していること、使用により体内に移行することがわかった。また、製品に含まれるニコチンにより依存性が生じ、長期連用を引き起こす可能性があることを示すケースを報告した。