飲食店を禁煙にしてお客を呼び込もう!
「灰皿がない」サービスの時代が到来
 昭和30年代、男性喫煙率が80%を超えていた時代から、飲食店では灰皿を出すのが当たり前のサービスでした。
 しかし、時代はすすみ、いまや男性喫煙率は40%と過半数を下回り、男女合わせた喫煙率も30%を切りました。
 嫌な臭いのランキングではタバコが不動の第一位(三菱電機1997年調査、オートバックス2004年調査など)。タバコの煙を非喫煙者が吸わされることで肺がんになったりする、いわゆる「受動喫煙の害」が一般に認知されるようになってから、タバコの煙に関する苦情がサービス業に多くも寄せられるようになりました。
 タバコを吸う人ですら、他人のタバコは迷惑と感じる人が多くなり、食事中はタバコを吸わない人も増えています。
 いまやまさに、「灰皿がないことがサービス」の時代になったのです。

全面禁煙にすると収益が増える!
 禁煙にするとお客の足が遠のくのではないか、という心配をされる経営者の方もおられます。実際にはどうでしょうか。
 禁煙先進国アメリカのいくつかの州では飲食店での喫煙が法律で規制された前後での検証が行われています。
 1998年にバーとレストランの喫煙規制が施行されたカリフォルニア州では、全面禁煙の後、むしろ他の小売業よりも収益が増え続け、ビジネスに好影響を与え、88.7%の人たちが喫煙規制に賛成していると報告されています。(the California Smoke-free Bars, Workplaces and Communities Program
 テキサス州の報告では、喫煙規制法の導入により全都市で飲食店の収益が増加を続け、飲食店の禁煙は収益を減らさないと結論付けています。(Smoke-Free Restaurants Increase Profits (May 1, 2002))
 ニューヨーク州の報告では、屋内での喫煙禁止により、食堂や宿泊施設における年間売り上げが上昇し、ホテルにおける客1人当たりの売り上げが増加し、食料や飲料の売り上げが増加したと述べています。(Cornell Study Says Smoking Bans OK for Business (July 15, 2003))
 日本国内の例としては、神戸市東灘区岡本の有名な中華料理店「冠三宝」で、禁煙にしてから売り上げが3割増えたそうです。
 全面禁煙の全国チェーン店「スターバックス」「CoCo壱番屋」「はなまるうどん」など、むしろ盛況のようです。
 新宿プリンスホテルのレストランやバーは終日全席禁煙ですが、たいへん流行っているとか。
 全面禁煙は、他店が躊躇している今が、むしろ増客のビジネスチャンスと言えるのではないでしょうか。

お客は禁煙の店を探している
 新幹線は禁煙席から満席になり、ホテルでは禁煙ルームの需要が高まっている時代。禁煙タクシーさえも増えています。禁煙の飲食店の需要が高まっているのも当然でしょう。
 禁煙飲食店を検索するサイトや本もあり、2003年5月の健康増進法の施行を受けて、自治体が禁煙の飲食店を認定してホームページなどで広報するところもあります。
 それらの情報源から情報を入手して、禁煙の飲食店しか利用しない人たちも増えています。
 お客はタバコ煙に悩まされずに安心して食べられる「空気もおいしい飲食店」に流れています。

全面禁煙化で新しい客層をゲット!
 全面禁煙の飲食店では、タバコを吸わない人だけではなく、子供連れや妊婦、そして味に敏感な新たな客層を呼び込めます。既存の喫煙客も他人のタバコを不快に思う人は多く、禁煙にしたことにクレームをつける人は意外に少ないようです。、お客が逃げる心配はむしろ「禁煙でない飲食店」がするべきことでしょう。さらに喫煙客が喫煙のために食後も長居をすることもないですから、客の回転が上がります。

従業員も歓迎!壁や天井もキレイに!灰皿掃除の手間ナシ!
 全面禁煙では従業員の受動喫煙も防げます。従業員には、気管支が弱い人や妊婦もいるでしょう。受動喫煙は確実に健康を侵します。職場が禁煙なのは従業員にとって最高の福利厚生とも言えます。
 壁や天井がタバコのヤニで黄ばんでいませんか?
 開店当初から禁煙の飲食店を一度のぞいてみて、比べてみて下さい。一度比較すると二度と黄ばんだ壁に囲まれて食べる気がしないという客の気持ちがわかるでしょう。
 また、禁煙にすれば灰皿を出す必要もなければ、灰皿掃除の手間も要りません。

禁煙表示は大きくはっきりと一人一人の客に印象付ける
 トラブルを避けるためにも、また、禁煙飲食店を求める顧客にアピールするためにも、禁煙マークは大きくしっかり表示しましょう。
 入り口ドアのほかにも、各テーブル・柱・メニュー表に表示しましょう。全国チェーンの禁煙飲食店が良いお手本になります。
 「おいしい空気も提供しています」「健康増進法第25条により・・・」など表示に工夫をしてみましょう。
 しっかりとした表示が、口コミによって新たな顧客を呼び込み、他店との差別化になります。
 → 参考:禁煙マーク・禁煙ポスター

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