【出穂後の栄養診断法】
私は長年関稲作に携わり、研究を続けて参りました。
その結果、私独自の技術を稲作初期・中期・後期それぞれに開発することに成功できたと思っております。
中でも、ここに説明する診断法は誰でも簡単にできるもので、是非実行し
増収・品質向上に役立てて頂ければ有り難く思います。
上位第3節とは、上から3番目の節のことです。
上位第4節との間の青色(上)(黄色)の比率で栄養診断をするのです。
青色(上)の比率が多い場合は栄養状態が良好で実肥を施す必要はありません。
逆に(黄色)の比率が多くなると栄養状態が悪く、デンプンの穂への転流が悪くなり、
乳白粒や芯白粒が多発し、枯れ熟れ状態となります。
長年の研究で、与える肥料の善悪で結果が大きく異なります。
このような状態の時には、蘇生輝2号で10アール当たり13kg施すようアドバイスしております。
真夏のこの時期には、1回の実肥でどれくらい栄養状態が続くかと言えば約10日程度と思って下さい。
(黄色)の比率が多くなるとその都度13kg施します。
学者の研究では、10アール当たりで窒素1kg施用で60kgの増収になると試算されています。
施す回数が多いほど増収となります。
写真のように、この部分の長さは4センチを理想とし、7センチ程度までは倒伏に耐えられますが
それ以上長い場合は、実肥施用と関係なく倒伏の恐れが大きくなります。
稲は出穂後、葉や茎に蓄えていたデンプンを維管束という道を通って穂に移行します。
デンプンは、水によって穂へ運ばれます。水分不足になると稲は急速に活力を失い、
蓄えたデンプンを体内に蓄えたまま秋を迎え、収穫激減の大きな要因となります。
出穂後、水とチッソは収穫直前まで必要です。必ず守って下さい。
また、1枚1石と言って1本の稲に生き生きた葉が1枚増すごとに米1石増収と言われております。
4枚あれば4石、5枚あれば5石、水と窒素の徹底補給で生きた葉を1枚でも多く
刈り取りまで活躍できるよう努めて下さい。1石=150kg
※上記の技術は、私が長年稲と取組み観察をし、研究を続けてきた結果です。
従って無断で転載や複写することは御遠慮下さい。