健康すもと21喫煙対策

2004年3月に公表した健康すもと21では、喫煙・栄養・運動を3大重点課題としましたが、ここではそのうち、喫煙についての内容を掲載します。
健康すもと21のすべての内容については次のページに掲載しています。 → 洲本市健康課のページ
喫煙対策の特色は以下の通りです。
 ・成人は喫煙率半減、未成年はゼロ目標を掲げた
 ・保育園、幼稚園、小中高校は敷地内禁煙とした
 ・公共の場は禁煙とした(「分煙」は法の定める最低基準であるため、健康すもと21の目標としては分煙は含めず「禁煙」とした。これは、建物内または敷地内全面禁煙を意味する。すなわち、建物内に喫煙場所は作らない。)
 ・乳幼児や未成年者のいる家庭では、家族も全員タバコを吸わないこととした。
 ・受動喫煙対策啓発カードの発行・活用を明記した。 参考 → NGOが作成配布している受動喫煙対策要望カード
 ・受動喫煙対策認証ステッカーの発行を明記した。
 ・喫煙の害に関する知識について、有知識率が特に低い「痴呆」「ED(勃起不全)」を入れた。
 ・妊婦喫煙のリスクについて、洲本市調査によりリスク低減の可能性が示唆された「乳幼児突然死」「先天性異常」「知能低下」についての啓発を入れた。
 ・市の施設、学校、医療機関、レストラン、職場、自宅で受動喫煙を受ける危険性についての0%目標を設定した。
 ・未成年者へのタバコの提供元として明らかになっている、屋外自動販売機、屋内自動販売機、コンビニエンスストアー、タバコ店、家のたばこ(小学生)について、ゼロ目標を設定した。
などです。


現状と課題   実践目標   達成目標(数値目標)


現状と課題



(1)喫煙の状況
@成人の喫煙の状況

タバコを吸う人は、21.3%(男性39.0%、女性8.5%)です。特に20 歳代男性、30 歳代男性、50 歳代男性は半数以上が喫煙者となっています。


洲本市の成人の喫煙率は、平成8年度の保健計画において、男性53.4%(全国52.7%、兵庫県48.9%)、女性8.8%(全国11.6%、兵庫県11.5%)だったのが、平成15 年調査では男性39.0%、女性8.5%と全体に減少傾向にはありますが、若年世代の喫煙率は高くなっています。

A未成年者の喫煙の状況
洲本市の未成年者喫煙率は、平成14 年度の淡路医師会の調査では、月喫煙率が小学生低学年3.5%、小学生高学年3.4%、中学生2.4%、高校生10.8%という結果であり、小学生低学年で7%が喫煙経験があると答えるなど、喫煙率の増加と低年齢化が進んでいます。タバコの入手先としては、小学生では家のタバコ、中高生では屋外や屋内の自動販売機などが多く、コンビニやタバコ店が未成年者に販売している実態も明らかとなっています。未成年者がタバコを入手する現場もよく目撃されており、6 割の生徒が「見たことがある」と回答しています。また、学校での防煙教育実施率は、小学校28.6%、中学校60.0%と、特に小学校で低くなっています。
また、敷地内あるいは建物内禁煙の学校は1校もなく、学校内で児童生徒が受動喫煙をさせられているという学校が小学校で25%、中高校で78%あり、非喫煙教師に至っては、小学校で6割、中高校ではすべての学校で受動喫煙をさせられていると答えています。

B妊婦の喫煙の状況
平成8 年度の洲本市保健計画では、20 歳代女性喫煙率が13.9%であったのを、10 年間で7%以下にするという目標をたてましたが、平成14 年度の洲本市調査による妊婦喫煙率は26.9%(最終月経時。妊娠届出時喫煙率は8.8%)と、若年女性の喫煙率が急増しており、今後、乳幼児突然死症候群など関連疾患の増加が非常に懸念されます。また、妊婦喫煙のリスクに関する知識については、同調査によると喫煙が流産や早産の危険因子であると知っているのは86.9%でしたが、それ以外の知識については、それぞれ乳幼児突然死症候群47.3%、先天性異常41.2%、知能低下29.1%、不妊27.8%、ED14.1%と非常に低い結果となっています。一方、妊婦の受動喫煙に対して理解のない人も多く、同居の喫煙者がどこでも喫煙する割合は32.4%にものぼっています。

(2)喫煙の健康への影響
喫煙の健康への影響を知っている人の割合では、「肺がん」は、他の項目に比べて高くなっています。一方、認知状況が30%以下となっているのは、「胃潰瘍」「歯周病」が約20%、「痴呆」「ED」は10%以下と低くなっています。

小学生、中学生では、「20 歳までは喫煙をしてはいけないこと」「タバコは体に悪いこと」「受動喫煙の健康影響」のそれぞれについて小中学生の認知率は95%以上です。

(3)職場での禁煙・分煙の状況
職場での禁煙や分煙の状況は、「空間分煙」32.3%、「分煙はおこなわれていない」27.9%が多くなっています。「すべて禁煙」は11.3%と低い状況です。



(4)禁煙支援の状況
タバコを吸っている人で、禁煙補助薬を「知っている」人は78.1%で、性別では男性が77.5%、女性が81.0%となっています。
禁煙支援については、淡路島内の40 の医療機関でニコチン製剤の処方が可能(平成13 年淡路医師会調査)となっており、また、ニコチンガムの市販が平成13 年9 月から始まり、発売当初で淡路島内43 の薬局・薬店で取り扱われています。平成12 年度から認められた老人保健法の保健事業である喫煙者個別健康教育は、平成13 年度から洲本市禁煙専門外来として取り組みを開始し、平成16 年から館内禁煙となった県立淡路病院とも連携しています。しかし、喫煙者への啓発がまだ十分とは言えません。




実践目標



 喫煙は、がん、循環器疾患をはじめとする疾病や死亡の最大で単一の原因となっており、一方で、禁煙や適切な分煙対策により避けることができる疾病リスクです。喫煙対策としては、防煙、分煙、禁煙の3 つの対策がありますが、成人後に喫煙を開始した場合に比べ、喫煙開始年齢が若いほどがんや心臓病のリスクが高く、依存性が強くなることや、妊婦喫煙を防止するためにも、未成年者の喫煙防止のためのあらゆる手立てを講じることが重要です。また受動喫煙による肺がんや乳幼児突然死などの関係が明らかになっており、非喫煙者をタバコ煙から守るために禁煙や完全分煙を強力に進める必要があります。喫煙者に対しては、喫煙の影響がまわりの家族や仲間にまで影響を与えることを再認識し、喫煙者の6 割を超える禁煙希望者には適切な禁煙支援が受けられる体制を整える必要があります。


 <禁煙>
 @ 禁煙に挑戦しよう
 A 妊産婦は喫煙しない、妊産婦の家族も禁煙しよう
 <分煙>
 B 喫煙場所以外では喫煙しないようにしよう
 C タバコを吸わない人の周りで喫煙しないようにしよう
 <防煙(未成年者、非喫煙者の新たな喫煙を防ぐ)>
 D 未成年者はタバコを吸わない
 E 未成年者の前で、喫煙しない
 F 大人も子供も喫煙の健康への影響についての知識を身につけよう








達成目標(数値目標)