洲本市禁煙支援センター
★タバコによる社会的損害★
タバコは国や自治体にとって税収になると言いますが、一方で、病気の原因となって医療費などのコストがかかってます。では、全体で言うと社会的/経済的にはどうなのでしょうか。
以下は、国立がんセンター後藤公彦氏の試算(「環境経済学概論」5.経済・不経済の判定事例
p28-41 朝倉書店1998)からのデータです。
2002年に医療経済研究機構が発表した試算はこちらをどうぞ。 また、1箱1,400円が適正価格と試算された関西学院大学 河野正道教授の試算はこちらです。
後藤公彦試算
タバコ産業経済メリット タバコ産業社会コスト 差し引き |
2兆8千億円 5兆6千億円 −2兆8千億円 |
年間約3兆円の損失を年間売上タバコ本数3000億本で割って、タバコ1本あたり10円の国家負担、タバコ1箱の適正価格は600円(価格増による需要減を勘定に入れ、外部不経済を負担した場合に算出された価格)、と上の論文には書かれています。 →1箱1,000円が適正価格とした試算はこちら。
もう少し詳細な数字の中身を上記論文から引用してみましょう。
タバコ産業経済メリット | 2兆8千億円 | |
タバコ税 | 1兆9千億円 | |
タバコ産業賃金 | 1900億円 | |
タバコ産業内部留保 | 1600億円 | |
他産業賃金 | 1700億円 | |
他産業利益等 |
3300億円 | |
タバコ産業社会コスト | 5兆6千億円 | |
医療費 | 3兆2千億円 | |
損失国民所得 | 2兆 円 | |
休業損失 | 2千億円 | |
消防・清掃費用 | 2千億円 | |
タバコによる肺癌などは今後も増加し、そのため喫煙関連医療費は2030年には現在の3.3倍になり、タバコ消費量を半分にした場合でも1.7倍に増えるとのことです。
また、コストの数字には、受動喫煙被害や肺癌をはじめタバコ病の研究治療にかかった損失、タバコ病にかかった労力のために他疾病の研究治療が遅れた損失、タバコ関連疾患で死亡した家族の痛みなどは考慮されておらず、メリットについてもタバコ産業がない場合の他産業での賃金利益も勘案されていないので、これでもかなり控えめの数字と言えます。
非喫煙者の医療コストが少ないことから、生命保険では非喫煙者の保険料を安く優遇する動きが広がっています。
参考サイト :
「タバコを吸わない人は生命保険もお安くなります」 http://bun-en-shakai.hoops.ne.jp/hoken.html
「非喫煙者は3割も余計に保険料を支払っている」 http://nosmoke.hoops.ne.jp/hoken/